あなたも一度や二度、転職について考えたことがあるのではないだろうか?
初めまして。偶然の学校3期で学級委員を務めています、坂口高貴です。
いきなり、こんな問いかけから始めたわけだが、実は僕も二度転職をしている。
今でこそ、転職は自分の夢を実現させるためのステップアップと捉えることができているが、一度目の転職時は、それどころではなかった。
逃げ出したかった社会人1~3年目
新卒でコンサルティングファームに入社し、某メーカーの業務改善プロジェクトに従事した。具体的にはクライアント先に常駐し、あらゆるデータを集め、分析し、コスト管理をする仕事だ。
1〜2年目はがむしゃらにやるしかなかった。例え深夜になろうとも、先輩が帰るまで帰ってはいけないという理不尽なルールのもと、毎日夜遅くまで働き、また翌朝9時に出社。
徐々に仕事を覚え始め、クライアントの役に立つという意味ではやりがいはあったものの、なんか違うという想いはずっとあった。心からこの仕事を楽しいと思えなかった。
深夜に帰宅しては、公園へランニングに出かけた。そうでもしないと心が持たなかった。もう逃げ出したいとさえも思った。
何かを変えないといけない。でも、どうすれば良いか分からない。苦しい日々が続いた。
偶然の出会い
あるとき、コンビニで偶然見つけた雑誌が、POPEYEの「仕事とは?」特集だった。ちょうど仕事とは何だろうと考えていた時だったので、迷わず購入。
ページをめくると、自分の仕事に誇りを持って働く人々が特集されていた。
ジャズドラマー、銭湯の番頭、インドカレー屋のスタッフ、山小屋の主人など。
世間ではあまり知られていないような仕事をしている人も、僕にはすごくカッコよく見えた。
その時、いまの自分に足りないのは、仕事を通じて成し遂げたいこと、もっと言えば、”自分の人生の軸”だということに気付いた。
“自分の人生の軸”の見つけ方
これまでは、”自分の人生の軸”なんか持たなくても、なんとなく生きてこれた。でも社会人になれば、だれも進むべき道を教えてくれない。
真剣に転職を考え始めた社会人3年目から1年くらい自問自答の日々が続いた。就職活動の時の比じゃないくらい考えた。
意識したのは、とにかく行動すること。働き方についての本を読む。楽しそうに仕事をしている人に話を聞きに行く。過去に自分が感動したことをとにかく書き出し、なぜ感動したかを考える。
行動すれば、何かが得られる。これだ!というものを見つけたと思っても、やっぱりちょっと違ったりする。また振り出しにもどる。でも諦めない。
現に、仕事を生きがいとして働く人が存在する。ということは、自分もいつか見つけられるはず。そう何度も自分に言い聞かせた。
ほぼ日が教えてくれたこと
当時、僕の心の救いだったのが、糸井重里さんが立ち上げたウェブメディア「ほぼ日」だった。ほぼ日のコンテンツは僕に、人生は楽しいことに溢れているということを教えてくれた。
そのときにふと、「自分もこれをやってみたい」と思った。自分も誰かに新たな楽しみ方を伝えたい。そうすれば、少なくとも自分と同じような思いをしている人は救うことができる。
“自分が作ったモノ・コトで、人が楽しむ瞬間を作る”。”自分の人生の軸”が見つかった瞬間だった。
それからは、メディアという軸に絞り込んで転職活動を行い、行きたかった会社に採用が決まった。
“自分の人生の軸”が見つかったおかげで、あらゆる仕事がその軸と繋がっていると感じることができ、初めて心から仕事を楽しいと思えるようになった。
“自分の人生の軸”探しの旅に出よう
転職を考えることは、”自分の人生の軸”をあきらかにすることだ。転職をして良かったことは、自分にとことん向き合えたことだと思っている。
いま、転職を考えている人や、自分の人生がこれで良いのかと考えている人。”自分の人生の軸”を見つける旅に出てみてはどうだろうか?
そんな簡単には見つからないと思う。でも、何かに触れて自分の心が動いた瞬間というのはきっとあるはず。
自分がこれまで人にやってあげて喜んでもらえたこと、自分が人からされて心から嬉しいと思ったこと。それらを全部書き出して、共通点を探し、抽象化してみる。
もし、そんな経験が思い当たらないという人は、偶然の学校の授業を受けよう。一流の先生達が、仕事の真髄を教えてくれる。ワークショップを通じて、自分の至らないところや得意なことが客観的にわかる。授業を振り返り、揺れ動いた自分の感情を丁寧に観察し、分析する。
そうすれば自分の大事にしているものもいずれは見つかるだろう。僕も、授業に出るたびに、”自分の人生の軸”をブラッシュアップしている。
“自分の人生の軸”はあなたの行く先を示すコンパスになる。
あなたがこの記事を読んでくれたのも、きっと何かの偶然だと思う。この拙い文章が少しでもあなたの参考になれば僕はとても幸せだ。